1級管工事施工管理技士[A問題機器材料・設計図書要点まとめ]

機器材料[5問]必須

項目 問題数
目標正解数 3問

機材[3問]

ポンプの理論と特性

相似法則
回転数 比例
1乗 揚水量
2乗 揚程
3乗 軸動力
直列運転

・直列運転をしても揚程、水量は2倍にならない。

並列運転

・並列運転をしても揚程、水量は2倍にならない

用語

キャビテーション

・局部的に飽和蒸気圧以下の状態が生じて、液体が気化して気泡ができる現象をいう。
・羽根車入口部分で生じやすく、騒音・振動の原因となる。

キャビテーション防止対策
ポンプ 吸込み圧力を高くする。
据付高さを水面に近づけ、揚程を低くする。
回転数を下げる。
吸込管 摩擦損失を少なくする。
水温 温度を低くする。
サージング

・外部から強制的な力が与えられていないにもかかわらず、管路の流量と圧力が周期的に変動する現象である。
・揚程曲線が山形特性を有し、勾配が右上がりの揚程曲線部分で生じやすい。

送風機の種類と特徴

多翼送風機

用途 空気調和
軸動力 送風量の増加に伴い増加

軸流送風機

用途 換気扇、ルーフファン
遠心送風機に比べ 同じ風量に対して大きさが小さい
同じ静圧において騒音が大きい

横流送風機

用途 エアカーテン、ルームエアコンの室外機
大きさ 小さい
羽根幅 広い

理論と特性

相似法則
回転数 比例
1乗 風量
2乗 全圧
3乗 軸動力

ボイラーの種類と特徴

鋳鉄製ボイラー

・分割搬入が可能で現場組立が可能である。
・耐食性に優れている。
・温度変化に弱い。
・低温、低圧、小容量の場合に適用される。
・蒸気ボイラーは0.1MPa以下である。
・温水ボイラーは0.5MPa以下、120℃以下である。

炉筒煙管ボイラー

・保有水量が多いため、予熱時間が長い。
・大規模建築物、地域冷暖房に適用される。
・高度な水処理が不要である。

小型貫流ボイラー

・保有水量が少ないため予熱時間が短い。
・高度な水処理が必要である。

冷凍機の種類

冷凍サイクル 型式 種類
蒸気圧縮冷凍サイクル 容積圧縮型 往復動式 全密閉型冷凍機
半密閉型冷凍機
開放型冷凍機
回転式 ロータリー冷凍機
スクロール冷凍機
スクリュー冷凍機
遠心(ターボ)型 遠心(ターボ)冷凍機
エゼクタ型 蒸気噴射冷凍機
吸収冷凍サイクル 吸収型 小型吸収冷温水機
一重(単)効用吸収冷凍機
二重効用吸収冷凍機
直だき吸収冷温水機
空気冷凍サイクル ボルテックスチューブ
空気圧縮冷凍機
ペルチェ効果 電子冷凍機

蒸気圧縮冷凍機

ロータリー冷凍機

・用途は、ルームエアコン、ショーケース等の小容量のものに多く用いられる。

スクロール冷凍機

・用途は、ルームエアコン、パッケージエアコン、カーエアコンなどの空調用等の小・中容量のものに多く用いられる。

スクリュー冷凍機

・用途は中・大容量の空気熱源のヒートポンプなどに用いられる。

吸収冷凍機

冷凍サイクル
吸収冷凍機 遠心冷凍機
騒音・振動 少ない 多い
形状・重量 大きい 小さい
定格能力に達するまでの時間 長い 短い

冷却塔の種類と特徴

開放式

・原理は冷却水を直接外気に接触させる。
・蒸発潜熱が主となって冷却水の温度を下げる。
・向流冷却塔は、直交流に比べて塔の高さが高く据付面積が小さい。

密閉式

・原理は冷却水を流したコイルに散水する。
・開放式に比べて風量が多く、送風機動力・騒音が大きい。

用語

レンジ・アプローチ

・冷却水入口温度と冷却水出口温度の差をレンジという。
・出口空気湿球温度と入口空気湿球温度の差をアプローチという。

キャリーオーバ

・冷却水の水滴が、気流によって冷却塔の外に飛散する現象をいう。

空気浄化装置

高性能(HEPA)フィルター

・構造は通過風速が遅いく濾過面積が大きい。
・用途はクリーンルーム等の最終フィルターに使用される。
・一般的にプレフィルターを設ける。

活性炭フィルター

・用途は臭気、亜硫酸ガス($SO_2$)等の除去を行う。
・一酸化炭素等はほとんど除去しない。

大便器

・洗出し式は臭気がある。
・洗落とし式は臭気が少ない。
・サイホン式はサイホン作用が弱い。
・サイホンゼット式はサイホン作用が強いが騒音も大きい。
・ブローアウト式は汚物を吹き飛ばして排出する。

保温材

ロックウール保温材

・ロックウール保温材は、グラスウール保温材より耐熱性が優れている。
・ロックウール保温材は、-20~600℃、グラスウール保温材が-20~200℃である。
・ロックウール保温材のブランケットは、密度により1号と2号に区分される。

グラスウール保温材

・グラスウール保温板は、その密度により24K、32Kなどのように7つに区分され、それぞれ熱伝導率が異なる。

ポリエチレンフォーム保温材

・ポリエチレンフォーム保温材には、板状又は筒状に発泡形成したものや、板又はシート状に発泡した後に筒状に加工したものがある。
・ポリエチレンフォーム保温材は、耐熱性の面から主に防露・保冷用として使用される。
・独立気泡構造を有しており、吸水・吸湿がほとんどない。

配管・ダクト[2問]

鋼管

配管用炭素鋼鋼管

・最高使用圧力は1.0MPaである。
・亜鉛めっきを施したものを白管という。
・亜鉛めっきを施していないものを黒管という。
・製造方法により鍛接鋼管、電気抵抗溶接鋼管(電縫鋼管)がある。
・電気抵抗溶接鋼管は溝状腐食が発生する場合があるが、対策された耐溝状腐食鋼管がある。

水配管用亜鉛めっき鋼管

・配管用炭素鋼鋼管の黒管に亜鉛めっきを施したものである。
・使用圧力の最高は1.0MPaである。
・配管用炭素鋼鋼管の白管に比べて亜鉛の付着量が多く付着力が強い。

水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管

・配管用炭素鋼鋼管の内面あるいは内外面に硬質ポリ塩化ビニル管をライニングしたものである。
・最高使用圧力は1.0MPaである。
・用途は給水、空調用冷却水、冷温水である。
・許容温度 継手も含めると40℃程度までである。
・特製は鋼管と同じ強度、塩化ビニル管と同じ耐食性である。

排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管

・軽量で取扱いが容易である。
・配管用炭素鋼鋼管の黒管に準じる薄肉鋼管の内面に硬質ポリ塩化ビニル管をライニングし、外面に一時防錆塗装した配管である。
・継手MDジョイント(排水鋼管用可とう継手)を使用する。

圧力配管用炭素鋼鋼管

・用途は350℃程度以下の蒸気、高温水、冷温水等の圧力配管に使用する。
・厚さはスケジュール番号で表され番号が大きいほど厚い。

ステンレス鋼管

・一般配管用ステンレス鋼鋼管の用途は給水、給湯、排水、冷温水、冷却水及び蒸気還水の配管で使用される。
・肉厚は配管用ステンレス鋼鋼管より薄い。
・配管用ステンレス鋼鋼管の用途は耐食用、低温用、高温用の他、高圧、要ねじ切り加工の場合に使用される。
肉厚は一般配管用ステンレス鋼鋼管より厚い。

銅管

銅及び銅合金の継目無管

・肉厚が薄い方からM,L,Kと表す。

水道用銅管

・肉厚が薄い方からM,Lで、通常Mタイプを使用する。
・最高使用圧力は1.0Mpaである。

プラスチック管

硬質ポリ塩化ビニル管

・肉厚が薄い方から、VU,VM,VPで表す。
・設計圧力の上限 低い方からVU,VM,VPで表す。

水道用硬質ポリ塩化ビニル管

・種類は硬質ポリ塩化ビニル管(VP)耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管(HIVP)がある。
・最高使用圧力はVP=HIVP共に0.75MPaである。
・衝撃強さはVP<HIVPである。

弁の種類と特徴

仕切弁

・全開時は圧力損失が非常に小さい。
・半開時は弁体の背面に過流が生じ、振動が発生する。
・全開か全閉で使用する。
・流量調整に適さない。
・種類は外ねじ式、内ねじ式がある。
・外ねじ式の仕切弁は、弁を開いた場合に開度がわかりやすい。
・全開時にはスペースを要する。

玉形弁

・流体抵抗が大きい。
・開閉時間が速い。
・半閉で使用でき流量調整に適している。
・流体は弁体下部から上部に流す。
・凝縮水が溜まるおそれがある場合は弁棒を水平にする。

スイング 逆止め弁

・リフト逆止め弁に比べ開口面積が大きい。
・圧力損失が少ない。
・大口径で使用可である。
・垂直配管は一次側(流入側)を下にする。

リフト 逆止め弁

・垂直配管用及び水平配管用の区別がある。
・垂直配管 立て型を用いる。

バタフライ弁

・構造が簡単である。
・小型軽量で取付けスペースが小さい。
・流体抵抗は仕切弁に比べ大きい。
・弁の開閉速度が比較的速い。
・弁の開閉操作が小さい。

圧力調整弁

・目的として一次側の圧力を一定に保つ。
・用途はポンプのバイパス用等に使用される。

ダクト

設計

・等摩擦法(定圧法)で設計するダクト系は、単位長さ当りの摩擦損失を一定になるように計算するため、末端に行くほど摩擦損失が大きくなり吹出量が少なくなる。そのため、設計風量を確保するためには、定風量装置(CAV)や風量調節ダンパー(VD)を設けて、各吹出口での圧力差を緩和し、吹出風量を調節する必要がある。
・低圧ダクトとは、運転時の内圧が負圧-500Pa以上で静圧が500Pa以下となる。
・材料・断面積・風量が同じ場合、円形ダクトの方が長方形ダクトより単位摩擦抵抗が小さい。
・防火ダンパーのヒューズ作動温度は、排煙ダクト用280℃、一般系統は72℃、厨房排気系統は120℃となる。

スパイラルダクト

・スパイラルダクトは、亜鉛鉄板をスパイラル状に外甲はぜがけしたものである。
・寸法が規格化されている。
・高圧ダクトにも適応できる。
・長さが自由である。
・接続が簡便である。
・板厚が薄いにもかかわらず、外甲はぜが補強の役目を果たし強度が強い。

たわみ継手

・空気調和機、送風機などとダクトまたはチャンバーを接続する場合に、振動の伝播を防止するために使用する。
・両端のフランジ間隔は150mm以上とする。
・たわみ部が負圧になる場合、正圧部が全圧300Paを超える場合などには、補強用のピアノ線等を挿入する。

設計図書[2問]必須

項目 問題数
目標正解数 1問

契約[2問]

約款総則

・発注者及び受注者は、この約款に基づき、設計図書に従い日本国の法令を遵守し、契約を履行しなければならない。
・設計図書とは、図面、仕様書、現場説明書、質問回答書をいう。
・仮設、施工方法等は約款及び設計図書に特別の定めがある場合を除き、受注者がその責任において定める。

請負代金内訳書及び工程表

・受注者は、設計図書に基づいて、請負代金内訳書及び工程表を作成し、発注者に提出してその承認を受けなければならない。

現場代理人

・現場代理人は、この契約の履行に関し、現場に常駐し、その運営、取締りを行うほか、請負代金額の変更、請負代金の請求及び受領、並びにこの契約の解除に係る権限を除きこの契約に基づく受注者の一切の権限を行使することができる。

検査及び引き渡し

・工事完成の通知を受けた日から14日以内に検査を完了し、検査結果を通知しなければならない。
理由を通知
・工事目的物を最小限度破壊して検査するのは発注者である。
・検査又は復旧に直接要する費用を負担するのは受注者である。

請負代金の支払い

・請求を受けた日から40日以内に支払いしなければならない。

前金払

前払金の請求を受けた日から14日以内に支払わなければならない。

受注者の催告によらない解除権

発注者が設計図書を変更したため、請負代金額が2/3以上減少した場合は受注者は契約を解除できる。

契約書類

・契約書は、工事名・工期・請負代金額等の主な契約内容を示すものであり、発注者と受注者の契約上の権利・義務を明確に定めるもの。
・約款は請負代金の変更や契約の解除などをはじめとする発注者と受注者の権利・義務の内容に関する契約条項で定型化しているもの。
・設計図書には図面、仕様書(標準仕様書、特記仕様書)※特記仕様書が優先される、現場説明書、質問回答書がある。

配管材料

規格 配管材料名 記号
JIS
日本産業企画
配管用炭素鋼鋼管 SGP
水配管用亜鉛めっき鋼管 SGPW
圧力配管用炭素鋼鋼管 STPG
一般配管用ステンレス鋼鋼管 SUS-TPD
配管用ステンレス鋼鋼管 SUS-TP
硬質ポリ塩化ビニル管 VU,VM,VP
水道用硬質ポリ塩化ビニル管 VP,HIVP
JWWA
日本水道協会規格
水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管 SGP-VA,SGP-VB,SGP-VD
水道用ポリエチレン粉体ライニング鋼管 SGP-PA,SGP-PB,SGP-PD
WSP
日本水道鋼管協会規格
排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管 D-VA

機器

機器名称 図書記載内容
チリングユニット及びスクリュー冷凍機 冷凍能力、冷水量、冷水出入口温度、冷却水量、冷却水出入口温度、冷水・冷却水損失水頭、電動機(圧縮機)の出力、基礎の種別、台数
冷却塔 形式、冷却能力、冷却水量、冷却水出入口温度、外気湿球温度、電源の種類、電動機の出力、台数、許容騒音値
ユニット形空気調和機 形式、冷却能力、加熱能力、列数、加湿形式、有効加湿量、風量、機外静圧、コイル空気出入口温度、冷温水量又は蒸気量、冷温水入口温度、冷温水損失水頭、コイル通過風速、電源の種類、電動機の出力(電流値ではない)、基礎の種別、台数
ファンコイルユニット 形式、型番、流量調整弁、定流量弁等の有無、台数
自動巻取形エアフィルター 形式、風量、面風速、電源の種類、電動機の出力、初期抵抗、台数
電気集塵機(ろ材併用形) 形式、風量、面風速、消費電力、初期抵抗、台数
全熱交換器 形式、種別、風量、全熱交換効率、面風速、初期抵抗(給気・排気)、電動機の出力、台数
送風機(排煙機を含む) 形式、呼び番号、種別、風量、静圧、電源の種類、電動機の出力、極数、基礎の種別、防振材の種類、振動絶縁効率、エンジンの有無(排煙機の場合)、台数
空調用ポンプ 形式、吸込口径、水量、揚程、押込圧力、背圧、電源の種類、電動機の出力、極数、基礎の種別、防振材の種類、振動絶縁効率、台数
揚水ポンプ 吸込口径、揚水量、揚程、電動機、基礎の種別、防振材の種類、振動絶縁効率、台数
給湯ボイラー 形式、定格出力、最高使用水頭、貯湯量、燃料の種類、燃料消費量、電動機、台数
貯湯ガス湯沸器 貯湯量、ガスの種類、ガス発熱量、ガス消費量、台数