令和元年度A[問題 No.4]
[問題 No.4]流体に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
⑴密閉容器内に静止している流体の一部に加えた圧力は、流体のすべての部分にそのまま伝わる。
⑵管路に流れる液体の密度が小さいほど、管路閉止時の水撃圧は高くなる。
⑶ニュートン流体とは、粘性による摩擦応力が速度勾配に比例する流体をいう。
⑷レイノルズ数は、流体に作用する慣性力と粘性力の比で表される無次元数で、流体の平均流速に比例する。
令和元年度A[問題 No.4]解答
⑴適当である。
どの方向に対しても等しい性質を有している。これをパスカルの原理という。
密閉した容器内に静止している流体の一部に加えられた圧力は、全ての方向に等しく作用する。
⑵適当ではない。
管内を流れる流体の密度が大きいほど、管路閉止時の水撃圧は高くなる。
弁を急に閉めた時に生じる圧力上昇$h_{max}[Pa]$は、ジェーコフスキーの式により求める。
$P_{0}:流体の密度[kg/㎥]$
$a:圧力波の伝播速度[m/s]$
$V_{0}:水の当初の流速[m/s]$
$h_{max}=P_{0}aV_{0}$
の式より、水撃圧は流体の密度に比例する。
⑶適当である。
粘性とは運動している流体内部の近接した2つの部分が相互に力を及ぼす性質のことであり、内部摩擦ともいう。
摩擦応力が速度勾配に比例する流体をニュートン流体という。
一般に、水はニュートン流体として扱われ、粘性による摩擦応力は、速度勾配に比例する。
⑷適当である。
レイノルズ数:Reとは、管内の流体の流れが層流か乱流かを判断する数値である。
流れの慣性力と粘性力の比で表され、平均流速と管径に比例し動粘性係数に反比例する。
正解:⑵