冷暖房

熱源方式

・コージェネレーションシステム
・氷蓄熱
・ヒートポンプ
・地域冷暖房
の特徴について

コージェネレーションシステム

・発電により生じる熱を回収して、冷暖房や給湯に利用するシステムのことである。
・用途は、ホテルや病院に適している。
・排熱を高温から低温に向けて順次多段階に活用するカスケード利用を行うよう配慮する。
・燃料電池を用いるシステムを除き、内燃機関、熱回収装置、発電機等で構成される。
・主に使用される内燃機関は、ディーゼルエンジン、ガスエンジン、ガスタービンである。

ディーゼルエンジン ガスエンジン ガスタービン 燃料電池
発電効率 高い 高い 普通 高い
排熱の利用効率 普通 高い 高い 低い
排ガスの温度 普通 高温 高温 低温
排ガスの清浄度 低い 高い 高い 高い
騒音 大きい 普通 普通 小さい
振動 大きい 小さい 普通 小さい
回収熱の形態 蒸気・温水 蒸気・温水 蒸気 温水

カスケード利用の概念

燃焼ガス
高温高圧蒸気 蒸気タービン
高温高圧蒸気 工業用(高温分野)
蒸気 工業用(低温分野)
等を暖房・給湯として利用する。

ディーゼルエンジン

発電効率 高
排熱の利用効率 中
排ガスの清浄度 低(処理が必要)
回収熱の形態 蒸気、温水
熱電比(供給可能熱出力/発電出力)
ガスエンジン、ガスタービンに比べ小さい

ガスエンジン

発電効率 高
排熱の利用効率 高
回収熱の形態 蒸気、温水
熱電比(供給可能熱出力/発電出力)
ディーゼルエンジンより大きく、ガスタービンより小さい

ガスタービン

発電効率 中
排熱利用効率 高
回収熱の形態 蒸気
熱電比(供給可能熱出力/発電出力)
ディーゼルエンジン、ガスエンジンより大きい。

蓄熱方式

・熱源機器の深夜電力の利用が可能とする。

水蓄熱槽・氷蓄熱槽

・水蓄熱槽と比較した氷蓄熱槽の特徴として、氷の融解潜熱と水の顕熱を利用する。
・蓄熱槽容量が小さい。
・冷水温度が低い
・搬送動力の低減、除湿効果が期待できる。
・冷媒の蒸発温度が低い
・冷凍機の成績係数(COP)が小さい。

ヒートポンプ

・採熱源、量が豊富で時間的変化が少ない、平均温度が高く温度変化が少ないことが適応条件である。
・河川水、大気、下水道水等を熱源として利用される。

暖房能力

・外気温が低くなるほど、蒸発圧力や蒸発温度が低下する。
・除霜運転は、四方弁を冷房サイクルに切り替える。
・冷媒封入量 冷媒配管長さにより調節する。

成績係数(COP)

・圧縮機の仕事に対して蒸発器がどれだけ吸熱したかを判断するものを成績係数という。
冷房時のCOP $ε_c=冷凍効果÷圧縮仕事$
暖房時のCOP $ε_h=加熱効果÷圧縮仕事$

暖房時の成績係数:$ε_h$

・加熱能力(加熱効果)を投入したエネルギー(圧縮仕事)で除したものである。
・理論上、冷房時の成績係数に1を加えた値である。
・蒸発温度が一定の場合、凝縮温度が高いほど小さくなる。
・吸熱側と放熱側の温度差が小さいほど大きくなる。

地域冷暖房

メリット

・人件費の削減ができる。
・建物ごとの熱源機器が不要である。
・床面積の利用率が高くなる
・高効率の熱源機器が採用できる。
・大気汚染の防止となる。
・エネルギーの有効利用ができる。

対象地域

・熱需要密度が高い。
・熱源設備の負荷率が高い。
・ピーク負荷発生時刻の重なりが少ない。
・デグリーデーが高い。
・住民、自治体、企業等の積極的な参加がある。
・需要家の所得、生活水準が高い