給水設備

給水方式

水道直結方式

・給水引込管径は他の給水方式に比べ大きい。
・水質汚染の可能性は高置水槽方式に比べ低い。
・直結直圧方式と直結増圧方式がある。
・直結直圧方式は、給水栓の圧力や水道本管の圧力に応じて変化する。
・直結増圧方式は、給水栓の圧力や水道本管の圧力に応じて変化しない。
・ポンプ揚水量は瞬時最大予想給水量以上とし、高置タンク方式に比べて多い
・増圧ポンプ、逆流防止器が必要である。

高置タンク方式

・給水引込管径は直結増圧方式に比べ小さい
・高置タンクの高さや水栓・器具までの配管摩擦損失、最低必要圧力を考慮する。
・ポンプ揚水量は時間最大予想給水量とする。
・水質汚染の可能性が水道直結方式に比べ高い。

圧力タンク方式

・ポンプ揚水量は瞬時最大予想給水量以上とする。
・ポンプ容量は時間平均予想給水量が同じ場合、高置タンク方式に比べ大きくポンプ直送方式に比べ大きい。
・給水圧力の変動や機械室スペースは高置タンク方式に比べ大きい。

ポンプ直送方式

・用途は大規模な給水地区や団地等である。
・ポンプ揚水量は瞬時最大予想給水量以上とする。
・ポンプ容量は時間平均予想給水量が同じ場合、高置タンク方式に比べ大きく圧力タンク方式に比べ小さい。

ウォーターハンマー

防止策

・配管にウォーターハンマー防止器、エアチャンバーを設置する。
・ウォーターハンマー防止器は発生原因となる弁等のできるだけ近くに設置する。
・管内流速を2.0m/s程度以下とする。

水柱分離

・横引きが長い揚水管は下層階(低い位置)で横引きする。

逆止め弁

・一般のスイング式低揚程のポンプはウォーターハンマーが発生しにくい。
・衝撃吸収式高揚程(揚程が30m超)のポンプはウォーターハンマーが発生しやすい。

水質汚染

クロスコネクション

・上水の給水・給湯系統とその他の系統が、配管・装置によって直接接続されること。

バキュームブレーカ

・設置位置は器具あふれ縁より負圧破壊性能の2倍(配管接続型では150mm)以上高い位置とする。
・大気圧式の設置は常時水圧がかからない配管部分とする。
・大便器の洗浄弁は逆サイホン作用による逆流を防止できるが、逆圧による逆流は防止出来ない。

給水タンク

共通事項

・保守点検用に直径60cm以上のマンホールを設置する。
・オーバーフロー管は間接排水とする。
・管端開口部に金網(防虫網)を設置する。
・水抜き管は間接排水とする。
・水抜き管を受けるホッパーは排水が跳ね散らない形状とする。
・通気管は管端開口部に金網(防虫網)を設置する。
・タンクと鋼管の接続部はフレキシブルジョイントとする。

受水タンク

・容量は1日予想給水量×0.5とする。
・時間最大予想給水量×(1~2)とする。
・保守点検スペースは周囲及び下部で0.6m以上、上部1m以上とする。
・タンク底部は1/100程度の勾配とする。
・タンク上部に排水管を設ける場合は、排水管の下に受け皿をタンクとの空間1m以上離して設置する。

高置タンク

・時間最大予想給水量×(0.5×1)程度とする。
・受水タンク容量の半分程度とする。
・設置高さはタンクから水栓・器具までの圧力損失と水栓・器具の最低必要圧力を考慮して決定する。
・揚水ポンプはタンクに設置した電極で発停させる。

設計基準

使用水量

人員による1日使用水量
給水対象人員×1人1日当り使用水量
事務所ビル 60~100L程度
共同住宅 200~350L程度

必要圧力

高層建築物
≦400~500kPa
手洗器等の一般水栓
≧30kPa
大便器洗浄弁
≧70kPa(低圧作動型 ≧40kPa)
シャワー ≧70kPa