平成24年度A[問題 No.10]
[問題 No.10]金属材料の腐食に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
⑴一般に、水中で腐食しやすい金属は、イオン化傾向が小さい。
⑵水中で異なる金属を接触させたときに、腐食する方が陽極である。
⑶開放系配管における炭素鋼の腐食は、水の温度の上昇とともに80℃くらいまでは増大する。
⑷水中における炭素鋼の腐食は、pH4以下になると急激に増大する。
平成24年度A[問題 No.10]解答
⑴適当ではない。
亜鉛や鉄など電気化学的腐食を起こしやすい金属は、イオン化傾向が大きい。また、亜鉛は、鉄よりもイオン化傾向が大きいので、腐食しやすい。
⑵適当である。
水中における炭素鋼の腐食は、pH4以下になると急激に増大する。また、水中における銅管の腐食は、pH6.5程度の微酸性の水では、中性の水と比較して高い腐食速度を示す。水中でイオン化傾向が異なる金属を接触させた場合、貴な金属よりイオン化傾向が大きい金属(卑な金属)の方が腐食しやすく、陽極となる金属が腐食する。
⑶適当である。
配管用炭素鋼鋼管の腐食速度は、管内流速が速くなると増加するが、ある流速域では表面の不動態化が促進され腐食速度が減少する。また、配管システムが溶存酸素の供給が多い開放系の場合、炭素鋼管の腐食速度は、水温の上昇に伴って大きくなるが、ある(水温80℃位)に達すると、水温の上昇に伴って小さくなる。
⑷適当である。
正解:⑴