平成28年度A[問題 No.7]

平成28年度A[問題 No.7]

[問題 No.7]熱に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

⑴気体を断熱膨張させても、その温度は変化しない。

⑵液体の定圧比熱と定容比熱は、ほとんど同じ値である。

⑶融解熱や気化熱のように、状態変化のみに費やされる熱を潜熱という。

⑷等方性を有する物質の体膨張係数は、線膨張係数の3倍にほば等しい。

平成28年度A[問題 No.7]解答

⑴適当ではない。
 気体を断熱圧縮した場合は、温度が上昇し、断熱膨張させた場合は温度が低下する。断熱圧縮で$P$(圧力)が上昇すると、$T$(温度)が大きくなる。逆に$P$(圧力)が下がると、$T$(温度)が小さくなる。

⑵適当である。
 圧力一定のもとでの比熱を定圧比熱$C_P$といい、容積一定のもとでの比熱を定容比熱$C_V$という。
固体や液体は$C_p \fallingdotseq C_V$となり、気体は$C_P>C_V$となる。

⑶適当である。
 顕熱とは、物体の温度を変化させる熱であり、潜熱とは、融解熱、気化熱等のように物体の相を変化させる熱である。

⑷適当である。
 温度が1℃上昇後の物体の体積を温度上昇前の物体の体積で除した値を体膨張係数という。温度が1℃上昇後の物体の長さを温度上昇前の物体の長さで除した値を線膨張係数という。
等方性を有する物体は、$体膨張係数 \fallingdotseq 線膨張係数×3$

正解:⑴