平成28年度A[問題 No.9]

平成28年度A[問題 No.9]

[問題 No.9]燃焼に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

⑴燃焼ガス中の窒素酸化物の量は、一般に、高温燃焼時よりも低温燃焼時の方が少ない。

⑵ポイラーの燃焼において、熱損失を少なくするためには、空気過剰率は大きいほど望ましい。

⑶低発熱量とは、高発熱量から潜熱分を引いた熱量をいう。

⑷理論空気量とは、燃料を完全燃焼させるために理論的に必要な最小の空気量をいう。

平成28年度A[問題 No.9]解答

⑴適当である。
 燃料中の窒素成分が酸素と結びついて発生すし、燃焼ガス中の窒素酸化物は、低温燃焼時より高温燃焼時の方が多い。高温下の空気中、窒素と酸素の結合で発生する。

⑵適当ではない。
$m=\frac{供給された空気量}{理論空気量}$

 適正値は、気体燃料<液体燃料<固体燃料となる。
空気過剰率が小さすぎると不完全燃焼となり、大きすぎると廃ガスによる熱損失が増大する。完全燃焼する範囲で小さくすることが必要である。
ボイラーの燃焼において、熱損失を少なくするため、完全燃焼する範囲において空気過剰率を少なくすることが望ましい。

⑶適当である。
 燃焼により生じる水蒸気の潜熱分を含んだ発熱量であり、高発熱量(総発熱量、高位発熱量)で表す。燃焼により生じる水蒸気の潜熱分を除いた発熱量は低発熱量(低位発熱量)となる。

⑷適当である。
 燃料を完全燃焼するために、理論的に必要な最少空気量をいう。気体燃料は、固体燃料より、理論空気量に近い空気量で完全燃焼し、気体燃料は、液体燃料より、理論空気量に近い空気量で完全燃焼する。

正解:⑵