平成27年度A[問題 No.1]

平成27年度A[問題 No.1]

[問題 No.1]地球環境に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

⑴建築物の二酸化炭素排出量を一般的なライフサイクルでみると、設計・建設段階、運用段階、改修段階、廃棄段階のうち、運用段階が全体の過半を占めている。

⑵オゾン層が破壊されると、太陽光に含まれる有害な赤外線がそのまま地表に到達し、生物に悪影響を及ばす。

⑶地球の温暖化に影響を与える程度を示す地球温暖化係数(GWP)は、二酸化炭素よりフロン類の方が大きい。

⑷酸性雨は、大気中の硫黄酸化物や窒素酸化物が溶け込んでpH5.6以下の酸性となった雨などのことで、湖沼や森林の生態系に悪影響を与える。

平成27年度A[問題 No.1]解答

⑴適当である。
 建築分野における地球温暖化に着目した評価では、ライフサイクルを通じての二酸化炭素の発生量を定量化したものであるLCCO2(ライフサイクル二酸化炭素排出量)がよく知られている。事務所用途の建築物の二酸化炭素排出量をライフサイクルでみると、一般的に、設計・建設段階、運用段階、改修段階、廃棄段階のうち、運用段階が全体の過半を占めている。
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⑵適当ではない。
 オゾンとは、酸素分子に紫外線等が作用して発生する気体であり、地球上の成層圏に存在する。
このオゾン層が、特定フロン等により破壊されると、太陽光線に含まれる有害な紫外線が地表に多く到達する。紫外線は人体の皮膚細胞を破壊するなど生物に悪影響を及ぼす。また、建築物に対してもコンクリートや塗装の劣化などの影響を与える。
⑶適当である。

種 類 オゾン層破壊係数 地球温暖化係数
特定フロン CFC-11 1.0 4,750
指定フロン HCFC-22 0.055 1,810
HCFC-123 0.02 77
代替フロン HFC-134a 0 1,430
二酸化炭素:CO2 0 1
アンモニア:NH3 0 <1

⑷適当である。
 大気中の硫黄酸化物や窒素酸化物が溶け込んだpH5.6以下となった酸性の雨で、湖沼や森林の生態系に悪影響をもたらす。また、建物などの表面を溶かす。
 硫黄酸化物とは、硫黄と酸素の化合物であり、窒素化合物とは、窒素と酸素の化合物である。発生源は化石燃料の燃焼であり、酸性雨の原因物質となる。
正解:⑵