平成23年度A[問題 No.5]
[問題 No.5]流体に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
⑴一般に、水は圧縮性流体として、空気は非圧縮性流体として扱われることが多い。
⑵粘性による摩擦応力が速度勾配に比例する流体をニュートン流体という。
⑶レイノルズ数は、流体に作用する慣性力と粘性力の比である。
⑷管路を流れる流体の密度が大きいほど、管路閉止時の水撃圧は高くなる。
平成23年度A[問題 No.5]解答
⑴適当ではない。
物体に圧力を加えたときに、体積が変化する性質をいう。
液体は、圧力を加えても体積変化がほとんどない非圧縮性流体である。
気体は、圧力を加えると体積変化が大きい圧縮性流体である。
⑵適当である。
摩擦応力が速度勾配に比例する流体をニュートン流体という。
一般に、水はニュートン流体として扱われ、粘性による摩擦応力は、速度勾配に比例する。
⑶適当である。
レイノルズ数:Reとは、管内の流体の流れが層流か乱流かを判断する数値である。
流れの慣性力と粘性力の比で表され、平均流速と管径に比例し動粘性係数に反比例する。
⑷適当である。
管内を流れる流体の密度が大きいほど、管路閉止時の水撃圧は高くなる。
弁を急に閉めた時に生じる圧力上昇$h_{max}[Pa]$は、ジェーコフスキーの式により求める。
$P_{0}:流体の密度[kg/㎥]$
$a:圧力波の伝播速度[m/s]$
$V_{0}:水の当初の流速[m/s]$
$h_{max}=P_{0}aV_{0}$
の式より、水撃圧は流体の密度に比例する。
正解:⑴