平成22年度A[問題 No.5]

平成22年度A[問題 No.5]

[問題 No.5]流体に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

⑴管内の流れは、レイノルズ数が小さいときに層流で、大きいときに乱流となる。

⑵管内を流れる流体の密度が大きいほど、管路閉止時の水撃圧は高くなる。

⑶キャビテーションは、流れの中で局部的に液体の圧力がその液体の飽和蒸気圧以下まで低下すると発生する。

⑷粘性流体の運動に影響を及ほす動粘性係数は、粘性係数に流体の密度を乗じた値である。

平成22年度A[問題 No.5]解答

⑴適当である。
2,000程度より小さい状態は層流である。
4,000程度より大きい状態は乱流である。
層流から乱流に遷移するときの値を臨界レイノルズ数という。

⑵適当である。
 管内を流れる流体の密度が大きいほど、管路閉止時の水撃圧は高くなる。
弁を急に閉めた時に生じる圧力上昇$h_{max}[Pa]$は、ジェーコフスキーの式により求める。
$P_{0}:流体の密度[kg/㎥]$
$a:圧力波の伝播速度[m/s]$
$V_{0}:水の当初の流速[m/s]$
$h_{max}=P_{0}aV_{0}$
の式より、水撃圧は流体の密度に比例する。

⑶適当である。
 キャビテーションとは、流体が流動しているときに、ある部分における静圧がそのときの流体温度に相当する蒸気圧力(飽和蒸気圧)以下になった場合に、その部分の液体が局部的に蒸発を起こし気泡を発生する現象をいう。また、水温が高いと水は蒸発気化しやすくなるので、キャビテーションが発生しやすくなる。

⑷適当ではない。
 粘性係数に比例し密度に反比例する。
以下の式で表される。
$動粘性係数=粘性係数÷密度$

正解:⑷