平成30年度A[問題 No.8]

平成30年度A[問題 No.8]

[問題 No.8]伝熱に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

⑴熱放射は、物体が電磁波の形で熱エネルギーを放出・吸収する現象であり、その伝達には媒体の存在を必要とするため真空中では生じない。

⑵自然対流は、流体温度の異なる部分の密度差により浮力を生じ、上昇流と下降流が起こることで生じる。

⑶熱伝導は、異なる温度の物質が隣接する場合に、高温の物質から低温の物質に、物質の移動なく熱エネルギーが伝わる現象である。

⑷等質な固体内部における熱伝導による熱移動量は、その固体内の温度勾配に比例する。

平成30年度A[問題 No.8]解答

⑴適当ではない
 熱放射とは物体が電磁波の形で、熱エネルギーを放出・吸収する現象である。
熱の移動は媒体を必要とせず、真空中でも移動する。

⑵適当である
 流体内のある部分が温められると、膨張により密度を減じて上昇し、周囲の低温流体が下降する現象である。

⑶適当である
 固体内部及び隣接する固体間で、高温部から低温部に熱が移動する現象である。

⑷適当である
フーリエの法則 熱移動量$Q$
$Q=λ\frac{θ_1-θ_2}{d}Aτ$

$λ$(ラムダ):熱伝導率
$θ_1$:高温側壁面温度
$θ_2$:低温側壁面温度
$d$:壁の厚さ
$A$:壁面積
$τ$(タウ):時間

 熱移動量$Q$は、熱伝導率$λ$に比例し、温度勾配$(θ_1-θ_2)/d$に比例する。
熱移動量$Q$が一定時の温度勾配$(θ_1-θ_2)/d$は、熱伝導率$λ$に反比例する。

正解:⑴