工期・建設費曲線
- 直接費と間接費を合わせた総建設費(総工事費)が最小となる工期を最適工期といい、施工速度を経済速度という。
- 通常考えられる標準作業時間を限界まで短縮したときの作業時間を特急作業時間(クラッシュタイム)という。
工程表の種類
ネットワーク工程表 | バーチャート工程表 | ガンチャート工程表 | |
作業の手順 | 判明できる | 漠然としている | 不明である |
作業の日程・日数 | 判明できる | 判明できる | 不明である |
各作業の進行度合い | 漠然としている | 漠然としている | 判明できる |
全体進行度 | 判明できる | 判明できる | 不明である |
工期上の問題点 | 判明できる | 漠然としている | 不明である |
用語
- マンパワースケジューリング(配員計画)とは、主に、工期内の作業日ごとに必要な作業員数・資材を平均化することである。
- 配員計画において、割り付けた人員等の不均衡の平滑化を図っていくことを山崩しという。
- 工期の途中で工程計画をチェックし、現実の推移を入れて調整することをフォローアップという。
- 手持資源等の制約のもとで工期を計画全体の所定の期間に合わせるために調整することをスケジューリングという。
バーチャート工程表
- 縦軸に各作業名を記述し、各作業の着手日と終了日の間を棒線で示し、各作業の工期に対する影響の度合いが把握できない。
- 横軸に暦日と合わせた工期をとり、各作業の実施予定を棒線で示すもので、作業の所要時間と施工日程が分かりやすく、作成が容易である。
- 作成する予定進度曲線は、一般にS字カーブと呼ばれ、実施進度と比較することにより工程の動きを把握できる。
- 曲線式工程表のバナナ曲線は、全体工事を出来高累計曲線で管理するもので、工程が上方許容限界曲線と下方許容限界曲線の間にあるように管理する。
ガンチャート工程表
- 各作業の完了時点を100%として横軸にその達成度を示したもので、各作業の変更が他の作業に及ぼす影響が分からない。開始日、所要日数は不明である。
タクト工程表
- 高層建物で、同一作業を1フロアなどの工区ごとに繰り返して行う場合に、効率よく行うために作成する。
ネットワーク工程表
- クリティカルパス上の各イベントにおける早開始時刻と最完了時刻は、同時刻である。
- 日程短縮のために検討を要する作業は、当初のクリティカルパス上の作業だけとは限らない。
- クリティカルパス上のアクティビティのフロートは0である。
- デュレイションとは所要時間のことで、アクティビティ(作業)に付された数字である。
- 前作業が遅れた場合の後続作業への影響度が把握しやすい。
- 全体工程の短縮を検討する場合は、当初のクリティカルパスだけではなく、フロートの少ない作業についても検討する。
- ダミーは架空の作業を意味し、作業及び時間の要素は含まないが、フォローアップ時には工程に影響する場合がある。
- 日程短縮を検討する際は、日程短縮によりトータルフロートが負となる作業について作業日数の短縮を検討する。
- 作業の出発結合点の最早開始時刻から到着結合点の最遅完了時刻までの時間から、当該作業の所要時間を引いた余裕時間をトータルフロートという。
- クリティカルパスに次ぐ重要な経路で、工事の日程を短縮した場合にクリティカルパスになりやすい経路をリミットパスという。
作図
用語 | 表示 | 意味 |
作業 (アクティビティ) |
→ | 作業及びその進行方向 |
結合点 (イベント) |
①、②、③、… | 作業(又はダミー)の 始点、終点 |
ダミー | ・・・・・→ | 作業の前後関係のみを表し、作業及び時間の要素はない。 |
所要時間 (デュレイション) |
3日、10日、・・・ | 作業に要する時間 |
時刻
最早開始時刻
①出発点を0とする。
②所要日数を加算していく。
③2本以上の矢線が入ってくる結合点は最大値をとる。
最遅完了時刻
①最終結合点を所要工期とする。
②所要日数を減算していく。
③2本以上の矢線が分岐する結合点は最小値をとる。
フロート
トータルフロート
・作業を最早開始時刻で始め、最遅完了時刻で完了する場合に発生する。
トータルフロート=最遅完了時刻-(最早開始時刻+所要日数)
フリーフロート
・作業を最早開始時刻で始め、後続作業も最早開始時刻で始める場合に発生する。
フリーフロート=最早開始時刻-(最早開始時刻+所要日数)
インターフェアリングフロート
・トータルフロートからフリーフロートを引いたものである。
インターフェアリングフロート=トータルフロートーフリーフロート
クリティカルパス
・最も長い日程を要する経路であり、1本以上存在する。
・イベントの最早開始時刻と最遅完了時刻は同じである。
・アクティビティのフロートは0である。