概要
品質管理とは
- 品質管理とは、品質の目標や管理体制等を記載した品質計画に基づいて、設計図書で要求された品質を実現する方法である。
- 品質管理とは、問題点や改善点を見出しながら、設計図書に示された品質を最も経済的に実現することである。
- 品質管理を行うことによる効果には、手直しの減少、工事原価の低減などがある。
- 品質管理には、施工図の検討、機器の工場検査、装置の試運転調整、材料の受入れ検査、配管の水圧試験などがある。
- 建設工事では、生産工程での品質をつくりこむことに重点を置いて、統計的な手法の考え方を利用して品質管理をすることが有効である。
- 建設工事における日常の品質管理には、異常が出たときの処置や、問題解決と再発防止も含まれる。
- 品質管理において、品質の向上と工事原価の低減は、常にトレードオフの関係ではない。
内容
- 製作図や施工図の検討
- 機器の工場検査
- 搬入材料の検査
- 施工検査
- 配管の水圧試験
- 試運転調整の確認
- 風量調整の確認
効果
- 品質の向上や均一化に効果がある。
- 手直しが減少
- 工事費が減少
- 施工途中の不良発見による手戻り防止
- 目的物完成後のクレームが減少
デミングサークル
- デミングサークルの目的は、作業を計画(P)→実施(D)→検討(C)→処置(A)→計画(P)と繰り返すことによって、品質の改善を図ることができる。
P(計画)
D(実施)
C(確認・検討)
A(処置)
抜取検査
- 安価に検査したいもの
- 連続体やカサモノ
- ロットとして処理できるもの
- 抜取検査は、不良品の混入が許される製品を検査する場合に適用する。
- 品質基準が明確であり、再現性が確保されている製品には、抜取検査を適用する。
- 品物を破壊しなければ検査の目的を達し得ない場合には、抜取検査を適用する。
- 計量抜取検査を適用する場合、特性値が正規分布をしていることが前提条件である。
全数検査
- 全数検査は、大型機器、防災機器や直ちに取替えが困難な機器について適用する。
統計的手法
パレート図
- パレート図は、不良・欠点・故障などの要因を項目別に分類し、出現頻度の多い順に並べた棒グラフとその累積度数を折れ線グラフで表すことにより、各々の項目の大きさや順位、全体に占める割合がわかる。
特性要因図
- 特性要因図は「魚の骨」とも呼ばれるもので、不良とその原因が体系的にわかる。
- 不良の原因と考えられる事項が整理されるため、関係者の意見を引き出したり、改善の手段を決めたりすることに有用である。
ヒストグラム
- ヒストグラムは、データ範囲をいくつかの区分の柱状図で示すことにより、データの全体分布や概略の平均値やばらつきの状況を把握することができる。
- データを柱状図で示す。
- 規格の上限・下限からはずれている度合いがわかる。
管理図
- 管理図は、データをプロットして結んだ折れ線と上方・下方管理限界線により、時間的変化の把握及び異常なばらつきの早期発見ができる。
- 工程が安定な状態にあるかを調べる。
散布図
- 散布図は、グラフに点をプロットしたもので、点の分布状態より2つのデータの相関関係がわかる。
- 散布図は、2つのデータに強い相関関係があれば、点の分布状況は直線または曲線に近づく。
- 2つの変動要素をX軸、Y軸とし、点をプロットする。