地球温暖化について
紫外線の影響
酸性雨の発生原因と影響
建築物の二酸化炭素排出量
地球温暖化
温室効果
温室効果とは、日射エネルギーにより加熱された地表面からの放射熱の一部が、大気中の水蒸気、二酸化炭素などにより吸収され、大気の温度が上昇することをいう。人間活動によって増加する主な温室効果ガスには、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンガスがある。その中でも、二酸化炭素は地球温暖化に及ぼす影響がもっとも大きな温室効果ガスである。石炭や石油の消費、セメントの生産などにより大量の二酸化炭素が大気中に放出されている。
また、大気中の二酸化炭素の吸収源である森林が減少しており、これらの結果として大気中の二酸化炭素は年々増加している。
これらの温室効果ガスの大気中濃度が高くなると、干ばつや洪水等の異常気象を引き起こす。
地球温暖化係数
地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential) とは、二酸化炭素を基準にして、ほかの温室効果ガスがどれだけ温暖化する能力があるか表した数字のことである。すなわち、単位質量(例えば1kg)の温室効果ガスが大気中に放出されたときに、一定時間内(例えば100年)に地球に与える放射エネルギーの積算値(すなわち温暖化への影響)を、CO2に対する比率として見積もったものである。
代表的な冷媒等は以下のとおり
種 類 | オゾン層破壊係数 | 地球温暖化係数 | |
特定フロン | CFC-11 | 1.0 | 4,750 |
指定フロン | HCFC-22 | 0.055 | 1,810 |
HCFC-123 | 0.02 | 77 | |
代替フロン | HFC-134a | 0 | 1,430 |
二酸化炭素:CO2 | 0 | 1 | |
アンモニア:NH3 | 0 | <1 |
二酸化炭素、メタン等の温室効果ガスのうち、大気中に存在するガス総量としての地球温暖化への影響度が最も大きいのは、二酸化炭素である。
オゾン層破壊
オゾンとは、酸素分子に紫外線等が作用して発生する気体であり、地球上の成層圏に存在する。
このオゾン層が、特定フロン等により破壊されると、太陽光線に含まれる有害な紫外線が地表に多く到達する。紫外線は人体の皮膚細胞を破壊するなど生物に悪影響を及ぼす。また、建築物に対してもコンクリートや塗装の劣化などの影響を与える。
大気汚染
自動車や工場などから出る化学物質によって、空気が汚れてしまうことを大気汚染という。大気汚染の原因となる化学物質(汚染物質)は、空気中で人間や動植物などに害のある物質に変化し、様々な問題を引き起こす。
光化学汚染物質
窒素酸化物と炭化水素が太陽の紫外線により、光化学オキシダントという有害物質が生成される。この物質が大気中にたまると、白いもやがかかったようになり、光化学スモッグが起きる。目や気管支等に障害をもたらす。また、植物にも影響を与える。
酸性雨
大気中の硫黄酸化物や窒素酸化物が溶け込んだpH5.6以下となった酸性の雨で、湖沼や森林の生態系に悪影響をもたらす。また、建物などの表面を溶かす。
硫黄酸化物とは、硫黄と酸素の化合物であり、窒素化合物とは、窒素と酸素の化合物である。発生源は化石燃料の燃焼であり、酸性雨の原因物質となる。
建築物の二酸化炭素発生量
建築分野における地球温暖化に着目した評価では、ライフサイクルを通じての二酸化炭素の発生量を定量化したものであるLCCO2(ライフサイクル二酸化炭素排出量)がよく知られている。事務所用途の建築物の二酸化炭素排出量をライフサイクルでみると、一般的に、設計・建設段階、運用段階、改修段階、廃棄段階のうち、運用段階が全体の過半を占めている。