保温・保冷・塗装

保冷・保温

  • 保冷とは、常温以下の物体を被覆し侵入熱量を小さくすること、又は、被覆後の表面温度を露点温度以上とし表面に結露を生じさせないことである。
  • 保温とは、常温以上、約,1000℃以下の物体を被覆し熱放散を少なくすること、又は被覆後の表面温度を低下させること。

ロックウール

  • ロックウール保温材は、グラスウール保温材より使用温度の上限が高い。
  • ロックウール保温材のブランケットは、密度により1号と2号に区分される。
  • 冷温水配管が防火区画を貫通する場合、その部分はロックウール保温材を使用する。
  • 繊維質保温材である。
  • 保温筒の熱間収縮温度は600℃以上である。
  • グラスウールより使用温度の上限が高い。
  • 号数が大きい程、密度が高い。

グラスウール

  • グラスウール保温板は、その密度により24K・32K・40Kに分類され、数値が大きいほど密度が高い。
  • JISに規定される40Kのグラスウール保温板は、32Kの保温板に比較して、熱伝導率(平均温度70℃)の上限値が小さい。
  • 事務室天井内の冷水管をグラスウール保温材で保温する場合の施工順序は、1.本筒、2.鉄線、3ポリエチレンフィルム、4.アルミガラスクロスとする。
  • 繊維質保温材である。
  • 保温筒の熱間収縮温度は350℃以上である。

ポリエチレンフォーム

  • ポリエチレンフォーム保温材は、耐熱性の面から主に防露・保冷用として使われる。
  • ポリエチレンフォーム保温材は、独立気泡構造を有しているため、吸水・吸湿がほとんどない。
  • ポリスチレンフォーム保温材は、優れた独立気泡体を有し、吸水、吸湿による断熱性能の低下が小さい。
  • ポリエチレンフォーム保温材は、水にぬれた場合でも、グラスウール保温材に比べ熱伝導率の変化が小さい。
  • ポリスチレンフォーム保温筒を冷水管の保温に使用する場合、保温筒1本についき2箇所以上粘着テープ巻きを行い、保温筒の合せ目をすべて粘着テープで止める。
  • 冷温水管の保温施工において、ポリエチレンフィルムは、防湿及び防水のため、補助材として使用される。
  • ポリエチレンフィルム巻きの場合は1/2重ね巻きとする。
  • 発泡質保温材である。
  • 保温筒の使用温度は70℃以下である。

その他材料

  • ステンレス鋼板(SUS304)製貯湯タンクは、エポキシ系塗装により保温材と絶縁する。
  • ステンレス鋼板製(SUS444製を除く。)貯湯タンクを保温する際は、タンク本体にエポキシ系塗装等を施すことにより、タンク本体と保温材とを絶縁する。

施工

  • スパイラルダクトの保温に帯状保温材を用いる場合は、原則として、鉄線を150mm以下のピッチでらせん状に巻き締める。
  • 保温材相互のすきまはできる限り少なくし、保温材の重ね部分の継目は同一線上とならないようにする。
  • 保温材の取付けが必要な機器の扉、点検口廻りは、その開閉に支障がなく、保温効果を減じないように施工する。
  • テープ巻き上げの重ね幅は15mm以上とし、垂直な配管の場合は、下方から上方へ巻く。
  • 保温を施した屋内露出配管が床を貫通する場合は、床面より少なくとも150mm程度の高さまでステンレス鋼帯製バンド等で被覆する。
  • 保温帯を二層以上重ねて所要の厚さにする場合は、保温帯の各層をそれぞれ鉄線で巻き締める。
  • 保温筒相互の間げきは、出来る限り少なくし、重ね部の継目は同一線上にならないようにずらして取り付ける。
  • 横走り冷水管に取り付ける保温筒の抱合せ目地は、管の横側に位置するよう取り付ける。
  • 保温材は、圧縮により厚さを減少させると断熱性能が低下する。
  • 保温帯は鉄線巻き50mmピッチ(スパイラルダクトは150mm)以下のらせん巻きとする。
  • 蒸気管が壁又は床を貫通する場合、伸縮を考慮して、貫通部及びその前後25mm程度は保温被覆を行わない。

塗装

  • 亜鉛メッキ面に合成樹脂調合ペイント塗りを施す場合、中塗り及び上塗りの塗装工程における放置時間及び最終養生時間は、一般的に20℃では両工程とも24時間以上とする。
  • 塗装は、原則として、塗装場所の気温が5℃以下、湿度が85%以上、換気が十分でなく結露する等、塗料の乾燥に不適当な場所では行わない。