平成30年度A[問題 No.1]

平成30年度A[問題 No.1]

[問題 No.1]地球環境に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

⑴オゾン層が破壊されると、太陽光に含まれる紫外線の地表への到達量が増大して、生物に悪影響を与える。

⑵HFC-134aは、オゾン層破壊係数が(ゼロ)で、地球温暖化係数が二酸化炭素より小さい冷媒である。

⑶酸性雨は、大気中の硫黄酸化物や窒素酸化物が溶け込んで、pH値が概ね5.6以下の酸性となった雨のことで、湖沼や森林の生態系に悪影響を与える。

⑷温室効果とは、日射エネルギーにより加熱された地表面からの放射熱の一部が、大気中の水蒸気、二酸化炭素などにより吸収され、大気の温度が上昇することをいう。

平成30年度A[問題 No.1]解答

⑴適当である。
 オゾンとは、酸素分子に紫外線等が作用して発生する気体であり、地球上の成層圏に存在する。
このオゾン層が、特定フロン等により破壊されると、太陽光線に含まれる有害な紫外線が地表に多く到達する。紫外線は人体の皮膚細胞を破壊するなど生物に悪影響を及ぼす。また、建築物に対してもコンクリートや塗装の劣化などの影響を与える。

⑵適当ではない。

種 類 オゾン層破壊係数 地球温暖化係数
特定フロン CFC-11 1.0 4,750
指定フロン HCFC-22 0.055 1,810
HCFC-123 0.02 77
代替フロン HFC-134a 0 1,430
二酸化炭素:CO2 0 1
アンモニア:NH3 0 <1

⑶適当である。
 大気中の硫黄酸化物や窒素酸化物が溶け込んだpH5.6以下となった酸性の雨で、湖沼や森林の生態系に悪影響をもたらす。また、建物などの表面を溶かす。
 硫黄酸化物とは、硫黄と酸素の化合物であり、窒素化合物とは、窒素と酸素の化合物である。発生源は化石燃料の燃焼であり、酸性雨の原因物質となる。

⑷適当である。
 温室効果とは、日射エネルギーにより加熱された地表面からの放射熱の一部が、大気中の水蒸気、二酸化炭素などにより吸収され、大気の温度が上昇することをいう。人間活動によって増加する主な温室効果ガスには、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンガスがある。その中でも、二酸化炭素は地球温暖化に及ぼす影響がもっとも大きな温室効果ガスである。石炭や石油の消費、セメントの生産などにより大量の二酸化炭素が大気中に放出されている。
また、大気中の二酸化炭素の吸収源である森林が減少しており、これらの結果として大気中の二酸化炭素は年々増加している。
これらの温室効果ガスの大気中濃度が高くなると、干ばつや洪水等の異常気象を引き起こす。

正解:⑵