通気設備

種類

伸頂通気管:最上部の排水横枝管が排水立て管に接続した点よりもさらに上方へ、その排水立て管を立ち上げ、これを通気管に使用する部分をいう。
通気立て管:排水立て管下部から立ち上げて、伸頂通気管に接続する通気管のことをいう。
結合通気管:排水立て管の圧力を緩和するため、排水立て管から立ち上げて通気立て管に接続する通気管のことをいう。
各個通気管:1個のトラップを通気するため、トラップの下流側から取り出してその器具よりも上方で通気系統に接続するか大気に開口するように設ける通気管のことをいう。
ループ通気管:2個以上のトラップを保護するため、最上流の器具排水管が排水横枝管に接続する点のすぐ下流から立ち上げ、通気立て管や伸頂通気管に接続、大気に開放する通気管をいう。
逃がし通気管:排水・通気両系統間の空気の流通を円滑にするために設ける通気管をいう。
共用通気管:背中合わせ、又は並列に設置した衛生器具の器具排水管の交点に接続して立ち上げて、その両器具のトラップ封水を保護する通気管をいう。

伸頂通気管

・排水立て管の上部を立ち上げ、これを通気管に使用する。
・排水立て管に接続される器具排水管の長さが短い場合に採用される。

通気立て管

・下部は最低位の排水横枝管より低い位置で45°以内の角度で排水立て管又は排水横主管に接続する。
・上部は管径を縮小せずに延長する。
・最高位の衛生器具のあふれ縁から150mm以上高い位置で伸頂通気管に接続するか、単独で大気に開放させる。

結合通気管

・排水立て管から立ち上げて通気立て管に接続する。
・設置は、最上階から数えてブランチ間隔10以内ごとに設ける。

各個通気管

・設置は、器具トラップのウェアから管径の2倍以上離れた位置から取り出す。
・誘導サイホン作用による破封防止に有効である。
・自己サイホン作用による破封防止に有効である。

ループ通気管

・最上流の器具排水管が排水横枝管に接続する点のすぐ下流から立ち上げ、通気立て管又は伸頂通気管に接続する。
・誘導サイホン作用による破封防止には有効である。
・自己サイホン作用による破封防止には無効である。
・逃がし通気管を設けない場合は、1つのループ通気管が受け持つことのできる大便器類の数は7個以下である。

逃がし通気管

・平屋建て及び多層建物の最上階を除く全ての階の大便器、及びこれと類似の器具を8個以上受け持つ排水横枝管にループ通気管を設ける場合には、その最下流における器具排水管が接続された直後の排水横枝管の下流側に設ける。

管径

種類 管径
伸頂通気管 排水立て管の管径以上
結合通気管 通気立て管、排水立て管の小さい方の管径以上
各個通気管 排水管の管径の1/2以上
ループ通気管 排水横枝管、通気立て管の小さい方の管径の1/2以上
逃し通気管 排水横枝管の管径の1/2以上

施工

取り出し

・排水横管の頂部から45°以内の角度で取り出す。

横走り

・階における最高位器具のあふれ縁より150mm以上の高さで横走りさせる。

末端開口部

高さ

・屋上を使用しない場合は200mm以上立ち上げる。
・屋上を使用する場合は2m以上立ち上げる。

位置

・建物の換気用開口部の上端から600mm以上離す。
・水平距離で3m以上離す。