令和3年度A[問題 No.10]

令和3年度A[問題 No.10]

[問題 No.10]腐食に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

⑴選択腐食は、合金成分中のある種の成分のみが溶解する現象であり、黄銅製バルブ弁棒で生じる場合がある。

⑵かい食は、比較的速い流れの箇所で局部的に起こる現象で、銅管の曲がり部で生じる場合がある。

⑶異種金属接触腐食は、貴な金属と卑の金属を組み合わせた場合に生じる電極電位差により、卑な金属が局部的に腐食する現象である。

⑷マクロセル腐食は、アノードとカソードが分離して生じる電位差により、陰極部分が腐食する現象である。

令和3年度A[問題 No.10]解答

⑴適当である。

⑵適当である。

⑶適当である。

⑷適当ではない。

腐食の種類 内容
異種金属腐食(ガルバニック腐食) 異なる金属を水または水溶液中(電気が流れやすい状況)で接触させた場合、その電位差が大きくなるのと比例して、電位の低いの金属の陽イオン化がますます促進される。 つまり、イオン化傾向の大きな金属、電位の小さな金属が急激に腐食してしまう現象である。
迷走電流腐食(電食) 電気鉄道など直流電源を使用している場合、レールなどから漏れ電流が土壌中に流出し、その一部が近隣の埋設配管やタンクなどの施設に流入することがある。 この場合、流入電流が再び土壌中に流出する際、材料部分で短期的に激しい腐食が生じる。 この漏れ電流を迷走電流、また材料の腐食現象を電食と定義されている。コンクリート内の鉄は土に埋設された鉄より腐食しにくい。
すきま腐食 配管のフランジ部分など、金属と金属、あるいは、金属と非金属の合わさった隙間部が優先的に腐食する現象である。
選択腐食 合金成分中のある種の成分のみが溶解する現象であり、黄銅製バルブ弁棒で起こる場合がある。
かい食 比較的速い流れの箇所で局部的に起こる現象で、銅管の曲がり部で生じる場合がある。
マクロセル腐食 地中埋設された鋼管が鉄筋コンクリートの壁等を貫通する場合、コンクリート中の鉄筋に電気的に接続されると、電位差を生じて起こる。
その他 SUS304製受水タンクは、気相と液相の境界で腐食を生じやすい。

正解:⑷