平成27年度A[問題 No.3]
[問題 No.3]室内の空気環境に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
⑴浮遊粉じんは、在室者の活動により、衣類の繊維やほこりなどが原因で発生し、その量は空気の乾燥によって増加する傾向がある。
⑵ホルムアルデヒド、トルエン、キシレンなどの揮発性有機化合物(VOC)は、 シックハウス症候群の原因物質である。
⑶空気中の一酸化炭素濃度が2%になると、20分程度で人体に頭痛、目まいが生じる。
⑷空気中の二酸化炭素濃度か20%程度以上になると、人体に致命的な影響を与える。
平成27年度A[問題 No.3]解答
項目 | 内容 |
酸素 | 酸素濃度が19%以下にすると不完全燃焼が始まり、一酸化炭素が発生する。 18%近くに低下すると、不完全燃焼が著しくなる。 15%程度に低下すると消化する。 |
二酸化炭素 | 20%程度以上になると、人体に致命的な影響を与える。 |
一酸化炭素 | 0.16%程度になると、20分で人体に頭痛、めまいが生じる。 1.28%程度になると、1~3分で致死する。 |
浮遊粉じん | 在室者の活動やその衣類の繊維やほこりなどで発生し、その量は空気の乾燥によって増加する。 1㎥につき0.15mg以下とする。 |
ホルムアルデヒド | ホルムアルデヒドは、化学物質過敏症シックハウス症候群の原因物質であり、濃度0.1mg/㎥程度で臭気を感じる。空気環境の基準として、ホルムアルデヒドの量は0.08ppm以下であることとされている。 |
⑴適当である。
空気中に浮遊する粒径がおおむね10μm以下の物質であり、室内環境に関する浮遊粉じんの濃度基準値については,「建築物における衛生的環境の確保に関する法律(建築物衛生法)」により、浮遊粒子状物質(SPM)の量について建築物環境衛生管理基準として、概ね10μm以下の粒子の重量濃度が「空気 1m3につき0.15mg以下」と定められている。
浮遊粉じんは、在室者の活動やその衣類の繊維やほこりなどで発生し、その量は空気の乾燥により増加する。
⑵適当である。
ホルムアルデヒドは、化学物質過敏症シックハウス症候群の原因物質であり、濃度0.1mg/㎥程度で臭気を感じる。空気環境の基準として、ホルムアルデヒドの量は0.08ppm以下であることとされている。
⑶適当ではない。
炭素が燃焼する際、酸素が不十分な環境で不完全燃焼を起こすと発生する気体。炭素を含む物質が燃焼すると二酸化炭素(CO2)が発生するが、酸素が不足している状態で不完全燃焼を起こすと一酸化炭素が発生する。血液中のヘモグロビンと結合し、酸素の運搬を阻害するため、人体に有害なきわめて危険なガスである。血液中のヘモグロビンは酸素と結びついて全身に酸素を運ぶ役割をしているが、一酸化炭素は酸素に比べて200倍以上もヘモグロビンと結びつきやすい性質を持っている。このため一酸化炭素があるとヘモグロビンは酸素と結びつくことができず、血液の酸素運搬能力が低下してしまい、酸素不足に陥いる。これが一酸化炭素中毒である。
比重は二酸化炭素より小さく、濃度0.16%(1,600ppm)で20分程度で頭痛・眩暈がおこる。
濃度1.28%程度で1~3分で致死する。
⑷適当である。
濃度が20%以上になると人体に致命的な影響があり、比重は一酸化炭素より大きい。
正解:⑶