平成27年度A[問題 No.4]

平成27年度A[問題 No.4]

[問題 No.4]流体に関する記述のうち、適当でないのはどれか。

⑴毛管現象は、液体の表面張力によるものである。

⑵水の粘性係数は、水温の上昇とともに小さくなる。

⑶水中における水の圧力は、水面からの深さに比例して大きくなる。

⑷ウォーターハンマーは、鋼管よりも硬質塩化ビニル管の方が発生しやすい。

平成27年度A[問題 No.4]解答

⑴適当である。
 液中に細い管を立てたときに、液体の表面が上昇又は下降する現象である。毛管現象は表面張力によるものであり、細管中の液面高さは表面張力に比例する。

⑵適当である。
 流体固有の粘性を表す定数であり流体の種類と温度により変わる。
水のような液体の粘性係数は、温度が高くなるにつれて減少し、圧力の増加とともに多少増加する。
一方、気体の粘性係数は、温度の上昇とともに増加する。

⑶適当である。
水中における水の圧力は、水面からの深さに比例して大きくなる。
水圧$p$は、次式で示され、深さ$h$に比例する。
$p:水圧 [Pa]$
$ρ:水の密度 [kg/㎥]$
$g:重力加速度9.8 [m/s^2]$
$h:水面からの深さ [m]$
$p=ρgh$

⑷適当ではない。
ウォーターハンマーの圧力上昇は、圧力波の伝播速度に関係する。圧力波の伝播速度は管材の縦弾性係数(ヤング率)に関係し、ヤング率が小さいほど圧力波の伝播速度が小さくなり、ウォーターハンマーが発生しづらくなる。

$a:圧力波の伝播速度[m/s]$
$a_{0}:液中音速[m/s]$
$ρ_{0}:水の密度[kg/㎥]$
$E:管材料の縦弾性係数(ヤング率)[Pa]$
$D:管の内径[m]$
$S:管の肉厚[m]$

$a=\frac{a_0}{\sqrt{(1+a^2_{0}ρ_0D/ES} \\}$

鋼管よりも硬質塩化ビニル管の方が、ウォータハンマが発生しにくいのは、ヤング率が鋼管よりも硬質塩化ビニル管の方が小さいからである。

正解:⑷