平成27年度A[問題 No.8]

平成27年度A[問題 No.8]

[問題 No.8]伝熱に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

⑴熱放射は、物体が電磁波の形で熱エネルギーを放出・吸収する現象である。

⑵固体壁とこれに接する流体の伝熱を、熱伝達という。

⑶固体壁両側の流体間の熱通過による熱移動量は、固体壁の厚さに反比例する。

⑷自然対流は、流体温度の異なる部分の密度の差により、上昇流と下降流が起こることで生しる。

平成27年度A[問題 No.8]解答

⑴適当である。
 熱放射とは物体が電磁波の形で、熱エネルギーを放出・吸収する現象である。
熱の移動は媒体を必要とせず、真空中でも移動する。

⑵適当である。
熱伝達とは、固体とこれに接する流体の間を熱が移動する現象である。

⑶適当ではない。
 熱貫流は、壁の片側にある流体の熱が、もう一方にある流体に伝わる現象である。
$Q=K(t_1-t_2)Aτ$

$K$:熱通過率(熱貫流率)
$t_1,t_2$:両側の流体温度
$A$:壁面積
$τ$:時間

熱移動量$Q$は、両側流体間の温度差$(t_1-t_2)$に比例する。
熱通過率$K$は、固体壁の厚さに反比例しない。

⑷適当である。
 流体内のある部分が温められると、膨張により密度を減じて上昇し、周囲の低温流体が下降する現象である。

正解:⑶