平成24年度A[問題 No.4]
[問題 No.4]管路内の流体の流れに関する記述のうち、適当でないものはどれか。
⑴円管の直管部における摩擦損失は、流体の動圧に比例する。
⑵管路内の流れを急に止めた場合に生しる圧力上昇は、流体の密度が大きいほど高くなる。
⑶水平に置かれた管路の管径を縮小すると、流れの上流域よりも下流域のほうが静圧は低くなる。
⑷管路内の流れは、レイノルズ数が臨界レイノルズ数より大きいときに層流で、小さいときに乱流となる。
平成24年度A[問題 No.4]解答
⑴適当である。
動圧=密度×平均流速の$2乗÷2$であるから、
圧力損失=(管摩擦係数×管長÷管径)×(密度×平均流速の2乗÷2)
$⊿P=λ\frac{l}{d}$$×$$\frac{ρ×ν^2}{2}$
圧力損失は流体の動圧に比例する。
⑵適当である。
管内を流れる流体の密度が大きいほど、管路閉止時の水撃圧は高くなる。
弁を急に閉めた時に生じる圧力上昇$h_{max}[Pa]$は、ジェーコフスキーの式により求める。
$P_{0}:流体の密度[kg/㎥]$
$a:圧力波の伝播速度[m/s]$
$V_{0}:水の当初の流速[m/s]$
$h_{max}=P_{0}aV_{0}$
の式より、水撃圧は流体の密度に比例する。
⑶適当である。
全圧=静圧+動圧であり、管内の全圧は一定である。管径が縮小され動圧が上がることにより静圧が下がる。
⑷適当ではない。
2,000程度より小さい状態は層流である。
4,000程度より大きい状態は乱流である。
正解:⑷