平成24年度A[問題 No.8]

平成24年度A[問題 No.8]

[問題 No.8]伝熱に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

⑴単一固体内部における熱伝導による熱移動量は、その固体内の温度勾配に比例する。

⑵自然対流は、流体温度の異なる部分の密度の差により、上昇流と下降流が起こることで生じる。

⑶熱放射は、電磁波により伝達されるため、媒体を必要としない。

⑷固体壁両側の流体間の熱通過による熱移動量は、固体壁の厚さに反比例する。

平成24年度A[問題 No.8]解答

⑴適当である。
 熱移動量Qは、熱伝導率λに比例し、温度勾配(θ1θ2)/dに比例する。
熱移動量Qが一定時の温度勾配(θ1θ2)/dは、熱伝導率λに反比例する。

⑵適当である。
 流体内のある部分が温められると、膨張により密度を減じて上昇し、周囲の低温流体が下降する現象である。固体と流体が接しているとき、固体から一定範囲の薄い流体層を温度境界層という。

⑶適当である。
 熱放射とは物体が電磁波の形で、熱エネルギーを放出・吸収する現象である。
熱の移動は媒体を必要とせず、真空中でも移動する。

⑷適当ではない。
 熱貫流は、壁の片側にある流体の熱が、もう一方にある流体に伝わる現象である。
Q=K(t1t2)Aτ

K:熱通過率(熱貫流率)
t1,t2:両側の流体温度
A:壁面積
τ:時間

熱移動量Qは、両側流体間の温度差(t1t2)に比例する。
熱通過率Kは、固体壁の厚さに反比例しない。

正解:⑷