換気設備

建築基準法の規定

居室の換気

・窓など換気に有効な部分の面積 床面積の1/20以上とする。
・障子等で仕切られた2室は1室とみなす。

自然換気設備

・換気上有効な給気口及び排気筒を有する。
・給気口は、居室天井高さの1/2以下の高さに設け、常時開放された構造とする。
・排気口は給気口より高い位置とし、常時開放された構造とする。
・排気筒の立ち上がり部分は直接外気に開放する。

中央管理方式の空気調和設備等

・劇場、映画館、公会堂、集会場等の特殊建築物の居室に設ける設備は、機械換気設備、中央管理方式の空気調和設備とする。
・非常用の昇降機を設けなければならない高さ31mを超える建築物又は各構えの床面積の合計が1,000㎡を超える地下街中央管理室で行う。

中央管理方式の空気調和設備

浮遊粉塵量:0.15mg/㎥以下
CO含有率:100万分の10以下
CO2含有率:100万分の1,000以下
温度:17℃以上28℃以下
相対湿度:40%以上、70%以下
気流:0.5m/s以下

換気設備が不要な火気使用室

密閉式燃焼器具等

・火を使用する設備又は器具で、直接屋外から空気を取り入れ、かつ、廃ガスその他の生成物を直接屋外に排出する構造を有するもの。
・その他室内の空気を汚染するおそれがないもの。
・密閉式燃焼器具等以外の火を使用する設備又は器具を設けていない室。
・室内の空気を汚染するおそれがある、解放式燃焼器具、半密閉式燃焼器具等がないこと。
・解放式燃焼器具、半密閉式燃焼器具は換気設備が必要である。
・密閉式燃焼器具は、換気設備が不要である。

小規模な住宅の調理室

・床面積の合計が100㎡以内の住宅又は住戸における発熱量の合計が12kW以下の調理室で、当該調理室の床面積の1/10以上の開口部を設けた場合は換気設備が不要である。

調理室以外の火気使用室

・発熱量の合計が6kW以下の設備又は器具を設けた換気上有効な開口部(サッシに設けた換気用の小窓等)を設けた場合は換気設備が不要である。

換気設備が必要な火気使用室

・給気口は、天井の高さの1/2以下とする。
・排気口は、天井又は天井から下方80cm以内とする。
・発熱量が12kW超の調理室等は、当該器具に接続して煙突を設けるか又は排気フードを有する排気筒を設ける。
・酸素の含有率をおおむね20.5%以上に換気する。

火気使用室の換気扇等

有効換気量
排気フードなし V=40kQ
排気フードⅠ型 V=30kQ
排気フードⅡ型 V=20kQ
煙突 V=2kQ

k:燃料の単位燃焼量当たりの理論廃ガス量
Q:火を使用する設備又は器具の実況に応じた燃料消費量

機械換気

第1種機械換気

・室内を正圧にも負圧にもできる。
用途:業務用厨房、機械室、ポンプ室、ボイラー室、発電機室、喫煙室、地階の無窓居室

第2種機械換気

・室内は正圧
用途:ボイラー室、手術室

第3種機械換気

・室内は負圧
用途:浴室、シャワー室、湯沸室、便所、喫煙所、駐車場、書庫

施工上の注意点

・大規模な地下駐車場等は誘引誘導換気方式の場合がある。
・ドラフトチャンバーを設置する室は負圧に保つ
・浴室の使用後、排気送風機をタイマーでしばらく運転する。
・冬季の視界不良を防止、給気を加熱する。
・便所、浴室、全熱交換器による熱回収を行わない。

換気量計算

在室人員による換気

・無窓の居室(換気上有効な開口部を有しない居室)に機械換気設備を設ける場合、1人当たり必要な有効換気量の最小値を20㎥/hとする。
・算定人員は、特殊建築物(劇場、映画館、公会堂、集会場等)の居室、3㎡に1人以上とみなす。
・その他の建築物の居室は10㎡に1人以上とみなす。

無窓居室に機械換気設備を設ける場合の必要有効換気量の最小値$V$
$V=20×(X_1+X_2+・・・+X_n)$
$X$:確執の算定人員

・特殊建築物で床面積÷在室人員>3[㎡/人]となる場合は、X=床面積÷3人[人]とみなす。

・その他の建築物で床面積÷在室人員>10[㎡/人]となる場合は、X=床面積÷10[人]とみなす。

例題

換気上有効な開口部を有しない居室aと居室bの換気を1つの機械換気設備で行う場合に必要な最小の有効換気量V[m3/h]として、建築基準法上、正しいものはどれか。
居室aの床面積は150m2、在室人員15人とする。居室bの床面積は200 m2、在室人員15人とする。
ただし、居室a、bは特殊建築物の居室ではないものとする。

⑴ 600[㎥/h]

⑵ 700[㎥/h]

⑶ 900[㎥/h]

⑷1,050[㎥/h]

正解

居室aの人員は150÷10=15人
居室bの人員は200÷10=20人(在室人員15人と比べて多い数)
20㎥/h×(15+20)=700[㎥/h]
⑵が正しい

汚染物質濃度による換気

室内の汚染物質を許容値以下にするために導入する外気の最小値$V$
$V=M÷(C-Co)$
$M$:室内の汚染物質発生量
$C$:室内空気の汚染物質濃度
$Co$:導入外気の汚染物質濃度