令和2年度A[問題 No.7]

令和2年度A[問題 No.7]

[問題 No.7]熱に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

⑴固体や液体では、定圧比熱と定容比熱はほぼ同じである。

⑵気体を断熱圧縮させた場合、その温度は上昇する。

⑶結晶が等方性を有する固体の体膨張係数は、線膨張係数のほぼ3倍である。

⑷圧縮式冷凍サイクルでは、蒸発温度を低くすれば、成績係数は大きくなる。

令和2年度A[問題 No.7]解答

⑴適当である。

比熱 固体・液体の比熱 気体の比熱
定容比熱:$C$$v$
定圧比熱:$C$$p$
$C$$p$$≒C$$v$ $C$$p$$>C$$v$
比熱比=定圧比熱÷定容比熱 $C$$p$$/C$$v$ $C$$p$$/C$$v$
(1より大きい)

⑵適当である。

名称 サイクル 温度T エントロピーS 圧力P 体積V
等温膨張 ①→② 一定 上がる 下がる 膨張
断熱膨張 ②→③ 下がる 一定 下がる 膨張
等温圧縮 ③→④ 一定 下がる 上がる 圧縮
断熱圧縮 ④→① 下がる 一定 上がる 圧縮

⑶適当である。
 線膨張係数は、温度1℃の上昇による伸びと初めの長さとの割合、すなわち温度1℃当りの縦ひずみである。等方性を有する物質では、体積膨張係数$β$と線膨張係数$α$との間に$β≒3α$の関係がある。

⑷適当ではない。
 冷凍サイクルにおいて、圧縮仕事に対して蒸発器がどれだけ吸熱したかを判断するものを成績係数$ε$$c$といい、次式で表す。
$ε$$c$$=冷凍効果÷圧縮仕事=(h$$2$$-h$$1$$)÷(h$$3$$-h$$2$$)$

前提条件 凝縮温度 蒸発温度 圧縮仕事 冷凍効果 成績係数
蒸発温度一定
凝縮温度一定

正解:⑷