令和2年度A[問題 No.9]
[問題 No.9]湿り空気に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
⑴湿り空気を固定吸着滅湿器(シリカゲル)で滅湿する場合、湿り空気の状態変化は、一般的に、乾球温度一定の変化としてよい。
⑵湿り空気を水噴霧加湿器で加湿する場合、湿り空気の状態変化は、近似的に湿球温度一定の変化としてよい。
⑶湿り空気を蒸気加湿器で加湿する場合、湿り空気の状態変化における熱水分比は、水蒸気の比エンタルピーと同じ値としてよい。
⑷熱水分比とは、湿り空気の状態変化における比エンタルピーの変化量の絶対湿度の変化量に対する比をいう。
令和2年度A[問題 No.9]解答
⑴適当ではない。
シリカゲルを用いた固体吸着減湿器の場合、水分を吸着する際に大きい吸着熱を発生する。それが空気にも伝えられ、⑤の方向へ乾球温度も湿球温度も上昇する。
乾球温度 | 湿球温度及び比エンタルピー | 絶対湿度 | 相対湿度 | |
①冷水コイル | 下がる | 下がる | 不変 | 上がる |
②水スプレー | 下がる | ほぼ一定 | 上がる | 上がる |
③蒸気スプレー | 上がる | 上がる | 上がる | 上がる |
④温水コイル | 上がる | 上がる | 不変 | 下がる |
⑤固体吸着減湿 | 上がる | 上がる | 下がる | 下がる |
⑥液体吸収減湿 | 上がる | ほぼ一定 | 下がる | 下がる |
⑵適当である。
水スプレー加湿で加湿を行った場合②の方向(等エンタルピーに近似する熱水分比の方向)に変化し、乾球温度は下がり、絶対湿度と相対湿度は上がるが、近似的に湿球温度は一定の変化とみてよい。
⑶適当である。
蒸気スプレーで加湿する場合、③の方向に変化する。乾球温度はわずかに上がり、絶対湿度、相対湿度、湿球温度及び比エンタルピーも上がる。
⑷適当である。
熱水分比とは、湿り空気の状態変化における比エンタルピーの変化量の絶対湿度の変化量に対する比である。
正解:⑴