平成29年度A[問題 No.2]

平成29年度A[問題 No.2]

[問題 No.2]冬季における外壁の結露に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

⑴外壁に断熱材を用いると、熱貫流抵抗が大きくなり、結露を生じにくい。

⑵外壁の室内側に繊維質の断熱材を設ける場合は、断熱材の室内側に防湿層を設ける。

⑶多層壁の構造体の内部における各点の水蒸気分圧を、その点における飽和水蒸気圧より低くすることにより、結露を防止することができる。

⑷暖房している室内では、一般的に、天井付近に比べて床付近の方が、結露を生じにくい。

平成29年度A[問題 No.2]解答

⑴適当である。
 空気は温度によって含むことができる水蒸気の量(飽和水蒸気量)が異なり、暖かい空気ほど多くの水蒸気を含むことができる。暖かい空気が冷やされて、含むことができる水蒸気の量(飽和水蒸気量)以上に冷えると水蒸気が水に変わる。これが結露の発生する仕組みである。

⑵適当である。
 繊維系断熱材を施した外壁における内部結露を防止するために、断熱材の室内側に防湿層を設ける。これは、室内側に結露が発生するためである。

⑶適当である。
 外壁を構成する仕上げ材の内部空隙における水蒸気分圧(実際の水蒸気量)を、その点における飽和水蒸気圧(水蒸気として持てる限界量)より低くすると、内部結露を防止できる。

⑷適当ではない。
 室内における水蒸気量はほとんど変わらないため、室内空気の温度が低い床付近は相対湿度が高くなり結露しやすい。

正解:⑷